プレスルーム
2022年10月27日
大幸薬品株式会社(本社:大阪市西区、代表取締役社長:柴田高、以下、大幸薬品)は、「SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)とACE2(アンジオテンシン変換酵素2)タンパク質との結合阻害用組成物」(特許の名称)として、二酸化塩素の液剤(特許第6854029号)及びガス(特許第6998092号)が、特許として認められたことをお知らせします。
本特許には、(1)二酸化塩素の当該組成物がSARS-CoV-2のスパイク(S)タンパク質とACE2タンパク質との結合を阻害する方法、及び(2)SARS-CoV-2が存在する場所において、二酸化塩素の液剤(ガス溶存液)では10~2,000 ppm(*1)(重量比)、ガス(気体)では0.00001ppm~230ppm(*1)(体積比)の各組成物を適用するステップ(段階)が含まれます。
二酸化塩素ガスは、ヒトに安全とされる低濃度(*2)で、多様な微生物に対して除菌作用があることが研究報告(*3)されております。二酸化塩素のインフルエンザウイルスの不活化効果の作用機序はスパイクタンパク質であるヘマグルチニンの不活化によることが既に報告されており(*4)、本特許でSARS-CoV-2においても同様にSタンパク質に作用することが示され、権利化されました。
二酸化塩素の日常生活での利用にあたっては、当該濃度を正確にコントロールすることが重要となります。当社が英文薬学誌で公表した研究成果では、市販のスプレー製剤及び二酸化塩素ガス発生装置による閉鎖空間中での二酸化塩素ガス濃度は、本特許による組成物の濃度範囲内で維持することが明らかになっています(*5)。
大幸薬品では、本特許技術の活用も踏まえ、さらなる研究により、安全性・有効性に関するエビデンスを集積し、衛生対策での二酸化塩素の活用を提言してまいります。
(ご参考)
ACE2とは、人間細胞の細胞膜に存在する酵素領域を持つ膜タンパク質でSARS-CoV-2により宿主細胞受容体として利用されています。